2007年11月

TCAF・・・・・猫茶羅地口絵・・・・・・

投稿日 2007.11.28, by gyorin

20071128.jpg
こちらが!!
話題の!!!
売れた絵!!!!
その名も「猫茶羅地口絵(にゃんだらじぐちえ)」
一番最後に描いた傑作(笑)。
前6枚は事前評価がいまいちの反応で、コイツは最後まで見せなかった秘蔵っこです。
「最後のやつは自信あるんで・・・」とコメントを重ねる画廊の人を追い返し、引き取りにきたときには「おっ、是はいいじゃない」とやっと、やっと唸らせることのできた可愛い可愛い秘蔵っこ。
アノ朝の嬉しさは忘れることはないでしょう。
それではちょっと解説・・・。ちなみにこれも恐怖のF100。
照明のテカリが入ってて、ちょっと写真イマイチだけど。
まず真中に見えますのが懐かしの地口屋「化け猫」バージョンUP(どこがかというと左右対称のところ)版。こちら多数の猫集まって化け猫になる図ですね。
そしてそれを囲みますのが「5匹猫枠」。5匹の猫で構成された花枠です。
これねー、この縞猫が微妙でね、よく見ると結構変なんすわ。顔とか。
更にその外枠にありますのは「対猫枠」。対になった猫で枠ができてます。
この対はカクガク違うんですよ?(見りゃわかるか)。
背景には上下「鯉波」左右「青海波」(だっけ?)。
これねー、ムラになっちゃってねー。めんどいんだ。人に手伝わす用の部分でした。(ほとんど自分がやるはめに)
最後の枠は「梅」ね。あれ。
コイツも厄介だった。なぜなら塗った色がわからなくなったから。究極の混ぜ色だったみたい。
この辺の枠描きはいちいち画面を上下に回転させなきゃならなくて、もう部屋、めちゃくちゃ。
F100が回転するんだから!ペンを撒き散らし写し紙を破りバケツをひっくり返す・・・。
四方にあるマルはなんだって??
そうそう、見て見て。
あれは「東西南北」・・・・「象犀雁獏」
うまいでしょ。江戸風でしょ。
あんときはねえ、犀を下に描きすぎちゃってねえ。苦肉の策で旗たててみた。
あと自慢は字。
字は前前からちょっと自信があって、今回は最期の絵だし、気合いれてみました。
あまりにうまく描けたので携帯で写真を他人に送りつけてみたりしました。
迷惑でしょうね。。いきなり「猫茶羅之図」なんて江戸文字送られたら。何がなんだか。
その人は未だに「にゃんちゃら」とか呼んでます。そうだよね。
そうしてこうして完成の自信作★
売れました??★★
あー嬉しい。。
もう二度とF100なんて描くことはないでしょう。
さよなら、F100。さよなら、にゃんちゃら。白金のリビングで可愛がってもらうんだよ!!

TCAF・・・・影に耳あり障子に目あり・・・・

投稿日 2007.11.26, by gyorin

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あら??どこかでみたわ、この絵。
そうそうご存知「猫影」の拡大版です。
これ、こう見えてもF100の巨大な絵。
「次はF40の倍は描いてよ」とかいうリクエストの元嫌々ユザワヤへ。
F80を買おうとしたらとなりにF100があって、なんとその差は¥800!
そりゃ100でしょ!と値段差により100を選択。が!!!
F40でひいひい言ってるんだから、100なんてもう・・・。予想をはるかに越えた扱いにくさ!
まず自宅階段に入らない・・・・。
ワタシがアトリエとして利用していたのは3Fの自室。
ここはベッドもあって、室温調節がスムーズ、また欲しいものがすぐそこ、というなかなかの快適空間。
しかし3Fまではとても上がらないので、泣く泣く今は納屋と化してるじめっとした1Fの部屋をアトリエとしました。
窓いっぱいに広がるF100のキャンバスは、採光を防ぎ気分を暗くします。
勿論定規は届かず、苦労して引いた線も真っ直ぐなんだかどうなんだかわからん・・・。
よりにもよって「障子」なんていう直角が露な題材を選んでしまったワタシ。
障子の下書きに一体どんだけ費やしたことか!
更に猫集まって大猫描いて見れば・・・・すごい空間!!
今までA4くらいに描いてたもんだからもう空く空く!猫の中が!!
動転してグラデーションとかにしてみても空間が空きすぎて、薄汚いもやとかシミみたいだし・・・。
A4時代は適当に取った色で適当にぼやかしてできた柄だったんだけど、この手は通用せず。。
取り急ぎで微妙なグラデーションで終わらしてみたんだけどやっぱり微妙。
最後になんとかせねばと画廊の人と頭を悩ませ、本をめくってでてきたのは・・・・若沖!!!!
若沖の「鳥獣草花図」は最高☆☆六本木の森美術館ができたときに本物を見て、感動。
そのとき初めてモザイク技法に気づき、そこもまたあまりにモダンで感動したとこ。
一応の完成をしている絵画に格子を描き入れるのはかなりの勇気。
相当変になる恐れあり。しかもかなり時間は差し迫る時分。
どうする?そして賭けにでたワタシ・・・・。
かなり大変でかなり緊張の3日間。。。自分がやってることが合ってるのか間違ってるのか。
最後までよくわからなかったけど、途中で止めれば明らかに未完成になってしまう。
超葛藤の中でなんとか終わらし・・・・あら!なかなかいいじゃない?
若冲には足元にもおよばずとも、少しはモザイクも掛かって、なんだかデジタルな感じ。
新たな表現を限界で発見☆新生猫影☆
もうあんまやりたくないけどね!

TCAF・・・・・・月見でいっぱい・・・・・・・・

投稿日 2007.11.25, by gyorin

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さあ、TCAF二作目「月見でいっぱい」。
これも地口季節柄9月絵の焼き増し。拡大&リニューアルバージョン。
見てもご存知花札20点のやつね。
前方の黒猫を山と見立て、月は猫で構成かつ月=うさぎ。
これ、最初うさぎの模様となるべくとこが超希薄で微妙なグラデーションになってて、そこ気に入らなかったけど(作品)点数のばすためにとり急ぎは無視。
一度監査にかけたとき「猫、全然見えない」「グラデーション微妙」とのコメントいただき、最後なんとかするコーナーへ。
ずっと無視し続けて最後の日曜を潰して猫に梃子いれ。「こんなもん毛並み足しゃいいんでしょ」とか舐めてたら意外に時間を食われた。8時間くらい毛を描いてて、予定大幅にオーバー。
そしてほんとに最後。こんな予定じゃなかったんだけど最後の一日をこいつに当てて、グラデーションをなんとかする。さあなんとしよう。
「柄にしちゃおう」とか気軽にひらめいたもの、ちょっとやってみたら超きもいの。
ジェッソで取り急ぎ潰して、再スタート。
「これで・・・いいのか??」の疑問抱きつつももう引き返せない時間。
きもいのよくあるし、と自分を芸術の道へ導いて筆を進め。
刺青のような模様が仕上がったのは搬入日の午前9時。
いいんだかわるいんだかよくわかんないけどとにかく終わったし、以前よりはかなりまし。
まあこれでなんとか格好ついただろうか。
ちなみに文字横の判子もどきは搬入のピンポンがなった瞬間まで(ほんとは鳴ったあとまで)描いてた判子。今後絵を描く機会をいただけるのなら、判子を作ろうと思った。

TCAF・・・・・・世海大戦・・・・・・・・

投稿日 2007.11.22, by gyorin

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本日(11/23)、例のTCAFいってきました☆
「まあ言われたから」気分だったものの、結構どきどき。
夕方ふらりといこうとか気取ってたら昼ごろ常務からメールが・・・・。。
「たーいへん!」の題名の元に・・・・
「猫茶羅が売れた!」
たーいへん!!!いいいいいいいいいくら?
「70万円!!!!」
なななななななななじゅうまん??????
なななななななななじゅうまん??????
TCAF作品/1「世海大戦」
この絵が一番最初に着手したやつ。
元ネタは勿論地口絵7月「魚介入り」。この魚介絵は5月から始めて3枚目に描いて初めて「なんて上手く描けたの?!」と自己感激した絵。
とっても気に入ってたから展示の一枚目には是が非!!と。
なんせ一枚目には「コレみて出すか出さないかきめる」という超プレッシャーがオプションだったものでなんといっても外せないでしょう。。。「ま、駄目なら駄目でラッキー」とか自分に言い聞かせたけど人間心の内は2重にあるもの。「これで外したら末代までの後悔」とかいう感も沸いちゃって。
しかしでかいね。F40。手のひらサイズで描いてたものをドンだけ拡大??
「とにかく丁寧に」を合言葉に筆を進め。
途中でナニを思ったか突如人なんか足してみたりして。
ものすごい顔色を伺いながら探り探りできた作品。
その甲斐もあり、OKがでたときは安堵と希望と後悔ともろもろ。
これから始まる一年間の絵地獄・・・・・(言いすぎ?)
そして今飾られてる大戦を見て思うことは、人を足さなきゃよかった。
だけど一番丁寧に描けてはいます。

感謝感謝!!終了記念☆

投稿日 2007.11.20, by gyorin

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本日!まさにさっき!!
一年間呪縛のように絡み付いていたTCAF出展用の絵が、我が家から去りました☆
寝ても覚めても後ろでじっと座って待ってるような・・・そんな存在感の絵たち。
一年をフルに使用したわけでもないのでえらそうなこといえないけど、この嬉しさたるや!!
昨日に至ってでさえ「まあ、おわるっしょ」と甘い読みのワタシ。
どんどん時間は押し、画廊の方が回収にくるまで絵の具を広げる始末。
12時に・・・との予定で迫りくる時間と画面にいれなきゃならないものとで葛藤。
時計を見ながら「字、いける」「はんこ、いける」みたいにしてせかせか筆を足し、まさにピンポンが鳴ったそのときに最後の一筆でした・・。
絵が去り、残された私は歌を歌いながら小踊り♪「おめでとう!おつかれ!」と自分で発声エールを送る始末。そのくらい嬉しかったわけです。
さて、今回絵が一応の終了ということで、記念にインタビュー形式にてちょっと感想をいただきましょうか。
魚屋蘭舞さんです。こんにちは
蘭「こんにちは」
イ「今回無事搬入が終了ということでお気持ちのほどをお聞かせください」
蘭「もう、なんていったらいいか。夢みたい・・・そんな感じです。お話があったときも夢見たいでしたが、嬉しくもあり若干苦痛でもあったので、いまは心から夢見たいです。」
イ「なるほど。一年間ということでしたが、出張などに行かれて結構忙しそうにしていましたが描く時間はあったんですか?」
蘭「えー・・あったというか無理やりつくりました。時間はあるものではなくつくるもの。」
イ「なるほど。つくるといっても限られてるでしょう。時間は。じゃその他の時間を犠牲にされた・・」
蘭「いえ、犠牲はあまりないですね。」
イ「犠牲なくして時間は出来ますか?飲み会とか遊びとか?」
蘭「いえ、誘われれば必ずとんでいく習性があるので。金曜や連休は誰もさそわなくても無理やり相手を探しにいきます(笑)」
イ「なるほど。(笑)では具体的にいつ描いておられたんでしょうか?」
蘭「・・・・さっき考えたんですけど、よく思い出せないんですね。確かにここ2?3週間は直帰して土日もつぶしましたがそれ以前は金土日、連休は必ず出かけてたはずだし。」
イ「・・・・」
蘭「恐らく寝る時間はだいぶ削ったような気がします。あとテレビの記憶がないので団欒タイムかしら?」
イ「なるほど。すごいあまった時間ですね。では作品についてですが、一番のお気に入りは?
蘭「なんと言っても猫茶羅でしょうね。あれは頑張りましたから。」
イ「画廊の方でも評判よかったとか」
蘭「ええ、そうみたいで。大変光栄です。ほんとに大変でしたから」
イ「作品のほうは後々解説とエピソードを日替わりでお送りする予定です。では最後にこの終焉の喜びを誰に一番先につたえたいですか?」
蘭「勿論いろいろな方に支えられ、応援いただきましたが・・・ここはやはり黒猫です!!どんなに遅くともはと時計のように呼びにきて暑くとも寒くとも必ずやってきてパレットのまわりをうろついてバケツの水を飲んで・・・しまいに絵の具踏んで歩き回る・・・そんな黒ちゃんがほんとに心の支えでした♪黒ちゃん、あなたのおかげで終焉を迎えました☆わたしたちの戦いは終わったのよ!!」

TCAF2007!!!!

投稿日 2007.11.15, by gyorin

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きたる11/23?/25の3連休♪
身を粉にしたTCAF開催!!!
T)東京C)コンテンポラリーA)アートF)フェア
買えるアートの展示会らしいです。
40個くらいの画廊があつまるらしいですよー。
有料なんできまづいですが、よかったらいらして下さいね!!
【TCAF2007】
日時**
11月23日(金・祝) 11:00?20:00
11月24日(土) 11:00?18:00
11月25日(日) 11:00?17:00
場所**
東京美術倶楽部 
3階・4階 「東美アートフォーラム」
〒105-0004 東京都港区新橋6-19-15
*地下鉄「御成門」下車2分、「新橋駅」下車8分
http://www.toobi.co.jp/club/index.html#outline
入場料**
¥600
しかし詳しいことはよくわからず・・・。
なんかアンディウォーホルとかピカソとかも出展するとか・・なんとか・・・。
絵の声がかかったときからよくわからず・・・。
未だよくわからず。
何がなんだか???!!
1年間頭にはりついてた絵!いよいよ終焉をむかえます☆

午前二時の猫時計

投稿日 2007.11.13, by gyorin

20071113.jpg
まーた空いちゃった・・・。
「最近全然地口屋日記は更新されないなー」「もう見るの辞めよう」
とお考えの皆様!!
ご安心ください!蘭舞は復活します!
確かに、確かにこの一年、だいぶ怠惰でした。怠けマシタ。
だけどね、ソレモコレモ、アートフェアのため!
覚えてます?展示がどうとかこうとか言ってたやつ。
あれあれ。
あれがね、いよいよ!なんです!!
1年、ワタシを苦しめた・・・いえいえ、嘘ですよ嘘。
詳しくは明日請うご期待☆とにかくこれからはやるよー。
「革工房」の先輩を見習わなくちゃ!
最近絵が佳境に入り、夜中まで筆を握ることもしばしば。
今までたらたらやってたツケが一気にくるとはこーいうことか。
会社から帰ると団欒はとばしてアトリエ(ただの倉庫部屋)に篭もります。
時間は着々と過ぎ・・・日は変わり・・・寝室からは高いびき・・・
そんな午前二時。
ばーん・・・・
と突如開くアトリエのドア。何事かと振り向けばそこには仁王立ちになった黒猫が・・・。
「ニャ?ン」と一言。
擦り寄ってきて絵の具を踏み、すっかり画家気取り。
寝るそぶりを見せないといつしか消えてゆきます。
そして再び沈黙の時間が過ぎ・・・・。午前三時。
ばーん・・・・
再び開くアトリエのドア。仁王立ちの黒猫・・・。
「ニャ?ン」と今度は突然噛み付いてみたり。
これ、実は寝る誘いにきています。猫時計。必ず二時と三時に鳴る。
この三時のときにはなんとか寝かせようとうるさく頑張り、それでも寝ないと待ってます。
でも眠いもんだから座りながらこっくりしてんの。
愛しさに負けて寝ます。
終わらなかったら黒猫のせいだな。。