2015年11月

小品展【books+】Ⅳ『本と猫』

投稿日 2015.11.30, by gyorin

さあ、最後!

異色の作品『本と猫』。

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なんと文庫本を作成。

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裏だってこのとおり。

これがなんなのかというと。(↓下記をクリック:動画です)

そう、超原始的アニメーション。

うまい人がやればもっとなめらか。なはず!

「本を読んでいると猫がやってきて邪魔をする」という日常を切り取った作品。

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立派な革製ブックカバー入り。

———————-作品のできるまで———————-

この作品、「あと一個くらいなんか書かなきゃなー」と思ってたとこに、

会社で過去に売ったノートカバーの中身が落ちてるのが目に入りました!

猫だけ描くのが得意なワタシ。

学生時代に培ったアニメーション(恐らく700枚前後×12匹を手描きで仕上げた)の要領で、さささっと・・・

表紙を描くのは、線を引くのに躊躇したけどなんとかクリアー。

何度もめくってたら早速本が薄汚れてきたので、

納品前日に慌てて革版画を押して、

発送日の朝イチ、会社で裁断。

熟練パートさんの手を借りて・・・素敵なブックカバーもつきました。

・・・・素敵な作品のはじまりなんてこんなものです。

これにて、Books+作品終了!

次作品めいたもの描くのはいつになるかしら・・・。

 

小品展【books+】Ⅲ『OUT』

投稿日 2015.11.28, by gyorin

展覧会もすっかり終わってしまいましたが・・・

行っていただいた方、ありがとうございました。

せっかくなので描いた作品の続きを。

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桐野夏生作『OUT』

深夜の弁当工場で働くパートの主婦・弥生が、夫によるDVに耐えかねて殺害したことをきっかけに、平凡な主婦たち4人が自由を求めて日常を離脱・脱社会化し、「OUT(アウト)」してゆく物語・・・

この「弁当工場」の描写が超リアルで、心に深く突き刺さる作品。

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「平凡に見えるみんなの中で、アウトなのはさあだれでしょう?」という絵なんですが、

やはり2009年の『Books』展でも同じものを描きました。

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こちら2009版。

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心なしか、猫の目が寄り気味・・・。

しかしながら6年間の成長は、そのくらい。

ところでこの正面から整列する猫の構図、ワタシの十八番。

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一番最初に描いたのが、恐らく2000年頃。↑大学の課題でデビュー。

 

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そしてLINEスタンプにまで。

大好きな作品を大好きな構図で描いた、6年目のOUTでした。

 

 

 

 

 

小品展【books+】Ⅱ『さあ、穴はどこか』

投稿日 2015.11.10, by gyorin

小品展話題第Ⅱ弾!『さあ、穴はどこか』

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最近読みふけっているアメリカの作家ジェフリー・ディーヴァーから。

犯行現場に落ちている微細証拠分析や人間の所作から心理を見破る「 キネシクス」分析、筆跡鑑定・・・

「なんとそんなとこに!!」というような事件の穴を見破る科学捜査に感銘を受け、描いちゃいました。

とはいえワタシが描けるのは猫たちだけ。

猫ども、必死に事件の穴を捜していますが・・・見つかるでしょうか。

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飽きちゃっているのもいるし・・・

↓このひととかやる気なさそう。

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そして今回は『西へ』の失敗を踏まえて、挑戦はやめました。

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塗りなれたピンクは安心・・・

いつ、何を描いても背景でつまづくワタシ。

猫まではうまく描けるんですがねー。

昔画廊の人にも言われました。

「君は猫だけ描いてたらいいよ」って。

そのひとことでどんだけ救われたか。

でもほんとは素敵な背景、描いてみたいよね~。

こちらも展示中です。

 

彩鳳堂画廊『books+』

2015年11月6日(金)~ 21日(土) 10:00 -19:00 日曜休廊

http://homepage2.nifty.com/saihodo/exhibition/2015/books_15.html

 

 

小品展【books+】Ⅰ『西へ』

投稿日 2015.11.07, by gyorin

ハロウィンも過ぎ去って、すっかり冬めいてきましたが。

さてブログを振り返りますと、社長になって、ハロウィンの思い出語って・・・おしまい。な生活でしたが、

その空白の時間の中で実はいろいろやっておりました。

その中のひとつがこれ。久々の小品展【books+】です。

お馴染み、京橋の彩鳳堂画廊さんからお声をかけていただきまして、

わずかな時間の中でなんとか描きあげました~。(それ、8/末のハナシ)

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タイトルは『西へ』。

books=本テーマということで、発想力のないワタシは「最近読んだ心に残った本」という、小学生のような自己テーマで進めることにしました・・・。

こちらの『西へ』はジョン・スタインベックの『怒りの葡萄』をオマージュ。

世界恐慌の1930年代、大規模資本主義農業の進展や、オクラホマ州はじめアメリカ中西部で深刻化したダストボウル(土地の荒廃による砂嵐)により、所有地が耕作不可能となって流民となる農民が続出し、社会問題となっていた。本作は当時の社会状況を背景に、故郷オクラホマを追われた一族の逆境と、不屈の人間像を描く。(Wikipediaより)

という本なのですが、私の中で強く印象に残ったのは、

土地を追われた農民が、「西にいったらいいらしいよ」というような噂に釣られて全家族総出で果のない移動をする・・・という情景。

しかも「だめらしい」とか「もっと西がいいらしい」とか、一言の噂で、たくさんの家族が移動をする情景。

まだ見ぬ素晴らしい「普通の暮らし」を目指し、信念を持って歩き続ける家族たち。

そしてその中にはもはやどこへ向かっているのかよくわからないものもいたはず。

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私の描いた軍団にもよく見ると状況理解してないものがチラホラ・・・

いけどもいけども「普通の暮らし」にたどり着けない無常さをこのへんで表現。

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もうペンとかで潰れちゃって、奥の人たち描けてない。

更にこの作品にはワタシのもうひとつの挑戦が。

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初めて憧れの『岩絵具』(但、挫折してチューブ)を使ってみましたが、全然うまく塗れない!

カリフォルニアの「透き通るようなブルー」を目指しましたが、何度も塗り重ねまくってちっとも透き通らず。

しかも上の写真からもわかるように、猫にまでかぶる始末・・・

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しまいにはどうしょうもないところ切ってしまいました。

新たな画材に敢え無く撃沈しましたが・・・

とりあえず描きあげ、ただいま展示中です。

お時間のある方は是非お越し下さい!

彩鳳堂画廊『books+』

2015年11月6日(金)~ 21日(土) 10:00 -19:00 日曜休廊

http://homepage2.nifty.com/saihodo/exhibition/2015/books_15.html